【 ディラン & キャサリン 】



 『ビバリーヒルズ青春白書』をベースにパロディ化したといわれている、『ディラン&キャサリン』(ザ・プラン9;なだぎ武 & 友近)が時々放送されています。
 しかし、『パロディ』というのは対象をデフォルメ(変形・誇張)し、それにより『笑い』や『特徴の顕在化』を訴求していくものだと思います。
 『コント』としては成功しているかも知れませんが、あれは『デフォルメ』ではなく、逆に日本人向けに特徴をマイルドに補正したものではないでしょうか?

 昨日、NHK教育で『ハイスクール・ミュージカル』(米国の高校を舞台にした物語)を再放送していました。
 ご覧になった方は、違いがおわかりだと思います。
 前記コントの『日本版アレンジ』は、動きに『キレ』がありませんし、両人とも『テンション』が低いです。
 ただ、『日本人向けコント』としては、あの程度の方がかえって良いのかも知れませんが。

 日本には、『利休鼠』に代表される、『白』と『黒』の中間の『灰色文化』があります。
 代表的な意思表示として、『前向きに検討します』があります。

 交渉事にしても、最初から相手の状況も考慮し『落とし所(合意点)』を想定した上で行うのが、正しい日本人です。
 つまり、最初からお互いに双方の主張の『中間点(灰色的なもの)』に向かって解決しよう、というのが日本人的交渉術です。

 それに対し、諸外国は『綱引き』です。 お互いに『中間点』は意識しません。
 ポール・マッカトニーの有名なヒットアルバムにも、『Tug of war』(綱引き)があります。

 お互いに頑張った結果として、納得した上で合意点を見つけます。
 国際会議でも、前日まで決裂必至といわれていたのに、最終日にいきなり妥結することは良くあります。
 悪く言えば、思いやりの気持ちではなく、双方の実力差が結果を導き出します。

 アナログ文化の日本人は『衝突回避』が主眼で、デジタル文化の諸外国は『自己実現』が主眼です。
 結果として同じ結論が出たとしても、日本では『大岡裁断』に代表される『三方一両損』の『妥協の産物』です。
 それに対し諸外国での合意点は、『戦った』結果です。

 極端な言い方をすれば、『相手のことを考えず自分勝手に話す』という、自己中心的な性格が英語学習にも理想的に思えます。
 『バカにされないか』、『恥をかきたくない』、『失礼じゃないか』なんて思わないで、堂々と『大きな声』で話せば、文法や発音、場合によっては単語が違っていても、それなりには通じると思います。 
 相手は、『人間』です。

 日本の大手電機メーカーの会長までされた方は、米国の一流研究所に何年か研究のため滞在した際、日本人が聞いてもわからないようなひどい発音の英語を屈指し、米国人の助手を何人も使って研究を完成させたそうです。
 
 言葉は、あくまでもコミュニケーションの道具です。
 話せた方が意思表示が容易なのは当然ですが、そんなに意識しなくても良いのではないでしょうか?

 シカゴの映画館で見た、実際の話です。
 すぐ前にいた移民(ヒスパニック?)の家族(母親+子供3人)は、切符を買うとき全く英語を話さず(多分、話せず)、自国語で話しかけていました。
 窓口の女の人は色々英語で聞いていましたが、埒があかないので、立ち上がって子供が何人かを数えました。
 英語で説明しながら切符を見せると、母親も財布から紙幣を出して見せました。
 窓口の女の人は、財布から必要な紙幣を取り出し、英語で説明しながらおつりを渡しました。
 母親は、唯一知っていると思われる英語『Thank you』を言って、子供と共に『非常に上機嫌』で映画館に入っていきました。
 
 あなたが、『この母親と同じことぐらいできる』と思われるのであれば、現状の実力に関係なく、その気になれば英語の上達は早いと思います。
 
 言葉は、民族の文化を背景に生まれています。
 常にポジティブに、テンション高く、ニコニコしていられる人は、英語学習向きの有望な人材だと思います。


 日本では『天然』と呼ばれ、あまり尊敬されないようですが。


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