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【 なんで英語やるの? 】
 『なんで英語やるの?:中津燎子著』

 昔、買った本です。  『再びなんで英語やるの?:中津燎子著』も買いました。
 残念ながら英語嫌いなこともあり、どちらもかなり前に某有名古書店に出してしまいました。

 冒頭の本は、著者が米国から帰国後、地方都市で優秀な女子高校生の英語の指導を頼まれるという話から始まったと思います。
 英語スピーチコンテストの全国大会に出るこの生徒に、大会用原稿を2回読んでもらった後の筆者の答えは、『何を言ってるか解らない』でした。

 私は、もっとすごいです。
 かなり昔の話ですが、シカゴのスーパーでサンドイッチを買おうとしました。
 私は、『This one, please』と指さして言ったつもりでした。 本人はそう信じてました。
 しかし、3回、聞き返されました。
 仕方がないので、商品の傍まで行って指さしました。
 『ああ、これが欲しかったのか。』という表情をされ、目的のものを渡してくれました。

 一昨年12月のテレビ番組に、某一流大学を主席で卒業したという、バラエティでも活躍中の有名な国際弁護士が出ていました。
 司会者の有名タレントと、目利き勝負をするというコーナーで、同氏が英語で『お前には負けないぞ』的なことを言ったようです。 
 実は、字幕が出たので内容が解りました。
 優秀な方ですから、『凡人が知らない難しい単語を使ったからわからない』ではないんです。
 『Mr.・・・・, 』と呼びかけた後、何を言ってるか全く聞きとれませんでした。
 明らかに音声は出ていました。
 しかし、イントネーションやアクセントが無い(ご本人は付けられていたと思いますが)ので、『発音』以前に個別の音として聞き取れませんでした。
 これは、『インタビュー(3)』のケースと全く逆の、『わかりません』でした。

 今なら多少はわかったかも知れませんが、当時は暇さえあれば英語の音声を聞いていたので、『発声の山を捕まえていく』聞き方で精一杯でした。 同氏の発音は『山』がないので、何も捕まりませんでした。

 逐次日本語訳では絶対会話は成立しませんが、単語を一語一語聞こうとするのも無理だと思います。
 『義経の八艘飛び』ではありませんが、『アクセントやイントネーションのピークだけを拾っていく』という感じで聞かない限り、ネイティブの会話には追いつけません。

 聞き取りで苦労されている方は、『それで解るの?』と思われるでしょうが、『そのうち』解るようになります。 
 あくまでも、『そのうち』です。 時期は、人によってまちまちだと思います。

 『ピーク』は全ての単語に付くわけではありませんし、リエゾン等で消えてしまう単語もあります。
 ですから最初の頃は、ほとんど何もわかりませんし、聞こえ方も変わりません。
 聞き方を変えたとたんに、いきなり聞き取れたりしません。
 但し、ピークを意識して聞いていると、最初のころは一文に1個(あるいは無し)だったものが、段々増えていきます。

 『高い山の頂上にいる』と想像して下さい。
 一面雲海に包まれていて、近くの低い山は見えません。
 しかし遠くても高い山は、雲海の上に頭を出しているという状態です。
 最初は富士山の頭くらいしか見えなくても、段々雲海が下がっていき、今まで見えなかった山が徐々に顔を出してくるという状態です。

 実際の話、山に登るのも大変ですし、雲海が去るのを待つのも根気が要ると思います。
 雲海も、『去ったり、また戻ったり』、一筋縄では行きません。

 また、多少聞こえるようになってくると、『何でこんな早口で喋るんだろう? きっと、○○○がおかしいんだ!』と逆ギレしそうにもなります。

 さらに進歩しても、『admission』は『ミッショ』、『species』は『ピーシ』くらいにしか聞こえません。

 日本人は、『英語ができる=頭が良い/かっこいい』(あるいは、生意気/嫌な奴)的な発想をする人が多いようですが、それこそ『戦後レジーム』にどっぷり浸かったままの状態ではないかと思います。

 所詮外国語ですから、実際に仕事で必要な人はともかく、たまに外国に行って『ホテルや買い物で英語を話そう』程度の理由で、勉強しなくても良いんじゃないですか?

 『バカの壁』で一躍有名になった養老孟司氏が、エッセイに以下の主旨のことを書かれていました。

 『ネイチャー誌に出した論文が、選考員にネイティブが書いたと思われるくらい英語が堪能だが、特に外国人に伝えたいことはない。 なんで、みんな英語の勉強をするんだろう? 
 そうまでして外国人に伝えたい、主義主張があるんだろうか?』





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